おーどりーのどうでもいい話

1 布団を踏むのは「なし」でしょ~!

 明治時代生まれの祖母と同居していたからかどうかは分からないが、小さいころから躾についてはうるさく言われたほうだと思う。

 躾といっても、たいそうなことではなく、箸の持ち方とか、肘をついて食べないとか、茶碗の持ち方とか、人や物を跨いではいけないとか、靴は揃えるとか、それくらいのことだ。

 今ではもう、いろんなことを「ま、いっか~」と自分にも他人にもゆるゆるなのだが、テレビドラマを観ていて、これをやられると思わず「ムッキー!!!!!(怒)」となってしまうことがある。それは「布団を踏む」という行為だ。

今や、ほとんどの人がベッドの生活だから、布団の上げ下ろしなどというものは、経験していないだろう。地方の旧家でもない限り、畳のある家さえ少なくなっているのではないだろうか(知らんけど)?

 布団は、踏まないように気を付けて敷くのが正しいと思っている。布団の敷いてある部屋を歩くときは、もちろん布団を踏まないように、真ん中に敷いてあれば隅っこをコソコソと歩いたものだ。

 ところが、朝ドラである。踏みたい放題なのだ。昭和初期の家庭で、うら若き娘が「ズカズカ」と布団を踏んで歩くのである。「躾がなっとらん!!」のではないだろうか? まぁまぁ、百歩譲って敷布団を踏むのは目をつむるとしよう。しかし、頼むよ~、掛布団はないんじゃない? しかもっ、自分の布団ではなくっ、他人の布団をっ、掛布団を踏むのであるっ。

 こんな場面を目にするたびに、テレビの前で「ぐぎぎぎぃ~!」と着物の袖を噛んでいるのだ。ところが、朝ドラ『てるてる家族』に出ていた浅野ゆう子は踏まなかった。布団を踏まないように、さささっと隅を歩いていたのを覚えている。なんか、すっごくうれしかった。そして、今期朝ドラ『あんぱん』の蘭子役の河合優実が、布団を踏まずにきれいに布団を敷いていた。しかも3つ敷く布団のうちの真ん中。素晴らしいと思った。テレビの前で拍手した(パチパチパチパチ…

 ちなみに、ほかの2人はズカズカ踏んでいた。綿が…綿が…、つぶれてしまうぢゃないか。。