月刊いぬごや新聞7月号

今月の言葉

〇〇系に慣れたと思ったら今度は界隈だって

おーどりー――〇〇系って多すぎないですか? ちょっと面倒くさいな~、と感じることがありますね。

ハチ――草食系男子とか肉食系女子とかってやつよね。

おーどりー――草食系・肉食系ってのも今となっては古く感じるけど…、癒し系女子、サバサバ系女子、かわいい系女子、非モテ系女子とか、いったい誰が分類してるんですかぁ?

ハチ――ファッションにもいろいろあるね。

おーどりー――カジュアル系、コンサバ系、モード系、ストリート系とかね。まあ、これはファッションの系統としてわかりやすい。原宿系とか渋谷系だと「う~ん、なんとなく…」くらいの理解でしかないけど。

ハチ――ラーメンにも家系とか二郎系とかあって…、よくわからないけど。

おーどりー――系は、名詞に付いて一つのまとまりのある関係にあることを表す語。サバサバ系女子や非モテ系女子なんていうことばは、系の使い方としては間違ってはいないと思うけど、系の進化形といった感じ。

ハチ――で、〇〇系がどうしましたか?

おーどりー――それがですね、ハチさん。ずいぶん前に雑誌の校正をしていたんですよ。そうしたら「白ロシア系」ということばが目に入った。

ハチ――白系ロシアではなくて?

おーどりー――That’s it!はい、白系ロシアでございますよ。

ハチ――白系ロシア人は、ロシア革命後、国外に亡命した人のことで、共産主義の「赤」に対する「白」なわけですよ。それを白ロシア系と書いてたと。ライターというのは、こういった場合、歴史的背景などもきちんと調べないといけませんね。まあ、白ロシアと間違えたかもしれませんが、文脈から判断しないと。

おーどりー――本当に! しかし、最近では系に似た感じで、「なんたら界隈」ってのが台頭してきた。初めて「風呂キャンセル界隈」って言葉を聞いたとき、「何じゃそりゃ?」ってマジで言いましたよ。まさしく、口をついて出たって感じで。

ハチ――本来は、近所とか周辺とかを表わす言葉なのに…。

おーどりー――同じような趣味や価値観をもつ人たちのコミュニティを表わす言葉として使われているんだよね。

ハチ――まあ、私たちが「ほにゃらら界隈」を使う日が来るとは思わないけど、すんなり使えるようになったときには、既に「ほにゃらら界隈」が死語になっているかもしれないね。

おーどりー――でもさ、マジな話、お風呂をどれだけキャンセルしたら風呂キャンなの? 連続何日とかじゃなくて、週に何日しか入らないとかなの? わかんなくて検索したら、「風呂 キャンセル 界隈 何日」っていう検索ワードが出てきて、笑った。

ハチ――みんな本当は分かっちゃいないのさ。

〇〇系

意味:ある関係のもとにつながった統一体。体系。

 (新明解国語辞典 第7版)

界隈

意味:そのあたり一帯。付近。近辺。

   特定の業界や趣味などの分野。また、それに関わる人たち。

(デジタル大辞泉)