行ってきました!
織田コレクション ハンス・ウェグナー展 至高のクラフツマンシップ
渋谷ヒカリエ9階のヒカリエホールに、20世紀の家具デザイン史を代表するデザイナー、ウェグナーの椅子が160脚以上も集結しています! 今開催中の「織田コレクション ハンス・ウェグナー展 至高のクラフツマンシップ」です。
ウェグナー? 誰? という人もいるかもしれません。でも、彼の代表作である《ザ・チェア》は知ってる!という人も多いのではないでしょうか。そうです、1960 年、腰痛に悩まされていたジョン・F・ケネディが大統領選挙のテレビ討論会の時に座っていたのがこの《ザ・チェア》。その完璧な美しさから“椅子の中の椅子”と称賛され、いつしか「究極の椅子」を意味する《ザ・チェア》と呼ばれるようになった椅子です。
なぜこんなにウェグナーの椅子が? はい、これらは全て椅子研究家の織田憲嗣さんが、50年以上にわたり蒐集してきた20世紀の家具や日用品群で、その中核をなすのがウェグナーのコレクション。現在は、そのすべてが北海道の東川町に寄贈されていて、町が管理・保存しているのですが、質、量ともに世界トップクラスとされるそのコレクションが、東京でまとまって公開されているのです。
しかも、会場の構成は、あの田根剛(ATTA)さん! 世界を股にかけて活躍する建築家ですが、美術展などの斬新な空間演出でも注目を集めています。期待せずにはいられません。
ウェグナー作品のポスターを見ながら一番奥まで進むと、そこには《ザ・チェア》が。なんて素敵なアプローチ! 会場は、チャプター1「ハンス・ウェグナーとは何者か?」、チャプター2「クラフトマンシップ」、チャプター3 「名作椅子」、チャプター4「ウェグナーの椅子 1945-1990年」の4部構成、途中にはウェグナー本人のインタビュー映像も流れます。

印象的だったのはチャプター2。組み立てられる前のパーツが椅子ごとに展示されていて、その椅子がどのように作られているのか一目瞭然! 田根さんによれば、「バラバラになっているパーツを見ると恐竜の骨格標本を見ている時のような興奮を覚える」とか。同感です。「木目までデザインされている」とも言われるウェグナーの椅子。完成形が美しいだけでなく、パーツ1つ1つまでも美しかったです。

さて、本展のハイライトともいうべきが、チャプター3。真っ暗な空間に、名作椅子25脚が、一脚ずつ独立した台座に据えられ、スポットライトを浴びて浮かび上がっていました。ウェグナーは、「椅子に背面というものは存在しない。どの角度から見ても、美しくなければならない」という言葉を残していますが、下から見た形までその影からわかるようにライトアップされていて、まさに360度どの角度からも見ることができる! さすがです。
そして、圧巻は椅子の大海原に飛び込んだようなチャプター4。ウェグナーがおよそ60年の間に制作し続けた椅子が、彼が手がけた椅子以外の家具と合わせて展示されていました。これだけの量と質を一度に見られる機会は当分ないのではないでしょうか。

そうそう、最後にウェグナーの椅子に実際に座って体感できるコーナも! 2026年1月18日までやってます。公式サイト:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/25_wegner/
今月の言葉
Z世代は腹が立つ以外の意味を知っているのか? 「ムカつく」
おーどりー――あー、ムカついたっ!すっごくムカついた!!
ハチ――どうした、どうした?
おーどりー――電車で座ってたんだけど、途中の駅でおばあさん二人が乗ってきて私の前に立ったの。だから思わず立ち上がって席を譲ったんだけどね。おばあさん二人に対して、席はひとつしかない訳だ。
ハチ――ふむふむ、そりゃそうだよね。
おーどりー――そうしたら、立ち上がったとたん、あたしに聞こえるくらい大きな「チッ!」という舌打ちを残し、隣に座ってたお姉さんが別の車両へと移っていったのですよ。今まで聞いたなかで一番大きな「チッ!」だった。ほんと、いい若いもんが。ムカつくわー。

ハチ――ムカつくって、今は「腹が立つ」の意味で使うことが多いけど、私たちが子どものころは「胸がむかむかする」とか「吐き気がする」みたいな意味で使ってたよね。今の若者はたぶん吐き気がするときには、「ムカつく」は使わないよね。何て言うのかな?
おーどりー――普通に「気持ち悪い」とか?「気持ち悪い」の短縮形の「キモい」は、また意味が違ってくるからややこしいけど。そういえば、昭和のドラマの再放送を見てたとき、登場人物が「気分が悪い」の意味で「今日は朝から胸がムカついてムカついて…」みたいなこと言ってて、「は?誰にムカついてんの」と思ってしまったんだよね。昭和を生きていたあたしたちも、令和の今じゃそんな使い方を忘れてしまっているっつーことですね。
ハチ――そう、私たちのなかでも「ムカつく」は、すでに「吐き気がする」の意味じゃなくなってしまった。若者ことばおそるべし。。
おーどりー――それが驚いたことに、若者ことばというわけじゃないんだって。
ハチ――え、そうなの?
おーどりー――江戸時代の上方(関西)では、「腹が立つ」の意味で使われていたらしいの。昭和14年発行の辞書にも、「癪にさわって腹が立つ」の意味があるらしい。だから、決して若者ことばじゃないのだけれど、だれもが「ムカつく」を「腹が立つ」意味として使うようになったのは、平成になってからかな? JKあたりが「ムカつく~」というのを「腹が立つ」の意味で使っているのを初めて聞いたとき、ほんとうに「はぁ?」と思ったけどね。
ハチ――上方限定とはいえ、江戸時代からそういう意味で使われていたとは知らなかった。ひとつお利口になりました。
ムカつく
意味:①胃の中の物を吐きそうな感じがする。
②今にも声(言葉)に出して怒りたくなる
(新明解国語辞典第7版)
