小松菜が生で食べられると知ったのは2016年。小松菜発祥の地、江戸川区の門倉農園を取材した時だ。いただいてきた小松菜をさっそくサラダに。シャキシャキの小松菜は苦味やえぐみが少なく水分たっぷり! あまりの美味しさに、その後、友人を誘って“お取り寄せ”したくらいだ。
その小松菜を作っているのが、江戸時代から続く同農園の6代目、門倉さん。なかなかのイケメンだ。当時、30代前半。カメラマンがレンズを向けると、「自分のことはいいので、小松菜を撮ってください…」とはにかみながら、小声で話す姿が印象に残っている。
それでも、“子供の子からの夢は小松菜を作る人”ときっぱり言い切り、「安全でおいしい小松菜を育てるため土づくり大切にしている。土壌の消毒は30年以上しておらず、除草剤も使わない。その代わり夏場は栽培を休み、太陽熱でハウス内を熱することで消毒している」と話してくれた。
その門倉農園に今年5月、再び取材に行ってきた。
体もたくましくなり、堂々と大きな声で話す門倉さんを見て、成長した息子を見る母の気分になった。つづく。