江戸川区の門倉農園さん_その2

今年5月、およそ3年半ぶりに門倉農園に取材にうかがった。同農園6代目、門倉周史さんの成長した姿に胸を篤くしたことは前回お伝えした。

2016年に取材した雑誌が翌年3月に出版されると、門倉農園にはテレビや雑誌の取材が多数舞い込んだという。小松菜栽培に取り組む真摯な姿勢が、取材した人たちはもちろん、視聴者や読者の心を打つのだろう。私もその一人で、対マスコミのマネジメントを買って出たくらいだ。

さて、ここで小松菜についてちょっとご紹介しよう。

江戸川区のホームページによれば、小松菜の原産地は南ヨーロッパ地中海沿岸と言われ、中国などを経て日本に伝わったのは鎌倉時代のこと。

名前が示すように小松菜の発祥の地は江戸川区で、名付け親は8代将軍徳川吉宗と言われている。

江戸時代の享保4年(1719)、吉宗公が江戸川近くの小松川村に鷹狩りに訪れた際、立ち寄った香取神社の神主・亀井和泉が、餅の澄まし汁に彩りとして青菜を添えると、吉宗公はたいそう喜び、この青菜の名をたずねた。神主が返事に困っていると、吉宗公が「ここは小松川だから小松菜と呼べ」。ということで “小松菜”の名が付いたという。

今ではハウスなどで年に4〜8作栽培され、1年中食べられるが、本来は冬の野菜で「冬菜」とも呼ばれ、東京のお雑煮には欠かせない野菜だ。ミネラルたっぷり含んだ東京湾からの潮風が、この地の小松菜の旨味と甘味を高めているという。つづく。