月刊いぬごや新聞2月号

今月の言葉

打消しのことばを伴わなくても「全然OK」

おーどりー――学校では、「全然」という副詞の使い方は、打消しのことばや否定的な意味のことばを伴って使うのが正しいとされていたよね。

ハチ――そーそー、「全然おいしくない」とか「全然疲れてない」とかね。今は違うの?

おーどりー――いや、違うかどうかはわからないけれど、もはや「全然おいしい」とか「全然だいじょうぶ~」なんて言い方は、今どきの学校の先生というか、若い先生にとっては、正しい言い方? いや、あり得る言い方なんじゃないかと。

ハチ――そうね。正しいという言い方に語弊があるかもしてないけれど、間違った使い方だとは思っていないっまもしれないね。

おーどりー――でもね、実はこの「全然」、明治や大正期には、打消しのことばを伴わない使い方はあったんだって。打消しや否定の言葉を伴う言葉として広まったのは、昭和20年代からともいわれているので、全然間違いじゃないんです。全然OKなんですよー。

ハチ――え?じゃあ、うちらが受けた教育が間違っていたの?

おーどりー――もちろん、間違った教育ではないと思うけど…。それに、いまでも国語の授業で、もあえて打消しのことばを伴わない「全然」を教えてるとは全然思えな~い。

ハチ――でも、いま思い返すと、うちらが初めて「とても」の意味を表わす「全然」の使い方に遭遇したときは、やっぱり違和感あったよね。

おーどりー――あった、あった。でも、辞書にもちゃんと載ってるんだよね、口語的表現とはしながらも。

ハチ――じゃあ、堂々と使っていいやつじゃん!

おーどりー――そう、全然使っていいんですが、あたしたちみたいないい歳した大人が多用すると、やっぱりねぇ~。ちょっと、頑張って若者言葉使ってる人みたいで、痛い人っぽくならないでしょうか?

ハチ――そうね、若者言葉の多用はね~。

おーどりー――あっ、若者言葉といえば、いま、すっごい昔のこと思い出した。

ハチ――突然なに?

おーどりー――昔々、とあるおじさんが、あたしに言いました。「いまの若い人って『やっぱ』って言うでしょ。なに、『やっぱ』って! 」って、すこしキレ気味にあたしに聞いてきたことがあった。

ハチ――そのおじさん、「やっぱ」が気に入らなかったんだ(笑)。「やっぱり」とか「やはり」とか言えと。

おーどりー――「案の定…」と言ってやればよかったかもな~(笑)

全然

意味:(多く話し言葉で)非常に。とても

(大辞林第版)